2009年3月14日のダイヤ改正で、東京発の寝台特急(いわゆるブルートレイン)「はやぶさ」(熊本行)、「富士」(大分行)が廃止されることになりました。この結果、東京発のブルートレインは全廃されることになりました(ただし寝台特急ということでは、電車の「サンライズ出雲・瀬戸」は引き続き運転される)。
筆者は2005年3月に「富士」に乗車したことがあるので、以前HPに書いた「富士」の乗車記を再掲します。今回は2005年3月14日に大分まで乗車したときの乗車記です。
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寝台特急「富士」は、東京から大分へ向かう寝台特急で、門司までは「はやぶさ」に併結される。もともと「富士」という愛称は戦前に東京-下関間で運転されていた特急列車に付けられていたもので、由緒正しきものである。ブルートレインの「富士」は、かつては東京-西鹿児島(現在は鹿児島中央)間を日豊本線経由で運転されていたが、現在は大分止まりとなっている。
17:50頃に東京駅10番線ホームに「はやぶさ・富士」のブルーの車体が入線した。「はやぶさ・富士」は全部で12両編成で、前6両が「はやぶさ」、後6両が「富士」である。客車は14系で機関車は下関までEF66が使用される。かつて「はやぶさ」、「富士」ともに食堂車やロビーカーが連結されていたがそれらはすでになく、貧弱な編成となってしまった。それでもA寝台個室「シングルDX」やB寝台個室「ソロ」が連結されており、寝台特急としての面目は保っている。
ドアが開き、「富士」のA寝台個室に乗車した。A寝台個室は1人用の部屋が14個あり、部屋の中にはベッド、洗面台、コンセント、タオル、ペーパータオル、ゆかたが備え付けられている。ベッドは普段は座席となっているが、寝台として使用するときは幅が広げられる。個室のドアは電子ロックとなっており、個室から外に出るときに暗証番号を設定して鍵を掛け、入るときに設定した暗証番号を入力して鍵を開ける。トイレにはペーパータオルが備え付けられており、他の寝台と差別化している。
「はやぶさ・富士」には、「北斗星」と異なり食堂車や自動販売機がないため、食事や飲み物は出発前に自分で用意しなければならない。幸いにも10番線にはNEWDAYSというコンビニがあり、そこで調達した。他の客のそのようにしていた。ひととおり買い物を済ませて車内に入り、出発を待った。
18:03に出発した。列車は横浜、熱海、沼津と停車し、乗客を乗せていった。まだまだこの列車が利用されているようである。静岡を発車したところで放送が終了し、車内の通路の照明が暗くなった。このあたりでウイスキーを飲みながらひとり静かに夜の風景を眺めていた。「北斗星」に乗車したときもそうであったが、夜汽車にはウイスキーが良く似合う。これが夜汽車、すなわちブルートレインの醍醐味である。岐阜のあたりで眠りに着いた。
翌日(3月15日)は広島付近で目が覚めた。部屋の中の洗面台で顔を洗い、朝食を取った。柳井から車内放送が再開した。徳山から車内販売が行われ、弁当やコーヒーなどを販売していた。
下関に到着した。下関では機関車の付け替えのため、5分停車する。下関のホームにはうどん屋があり、弁当も売っていることから朝食を買い忘れた乗客がそこでうどんを食べたり弁当を買ったりしていた。機関車はここでEF81に変わり、関門トンネルに入って門司へ向かった。
門司では機関車の付け替えと「はやぶさ」、「富士」の切り離しが行われた。まず「はやぶさ」、「富士」の境目である6号車と7号車の間の連結器の鍵を外し、「はやぶさ」が先に熊本に向けて出発した。その後「富士」の機関車が連結され、「富士」が大分に向けて出発した。この作業のため門司に「はやぶさ」は12分、「富士」は24分停車する。門司には自動販売機があることから、お茶やコーヒーを買い求める乗客が多数見受けられた。
小倉から日豊本線に入った。途中「富士」が特急「ソニック」に抜かれた。日豊本線には博多-大分間を高速で結ぶ特急「ソニック」が運転されており、客車である「富士」とスピードに差があることから、特急が特急に抜かれるというダイヤになってしまったのであろう。
11:17に時間通り「富士」は大分に到着した。東京-大分間は17時間14分の長旅であったが、久しぶりにブルートレインに乗車し、車内で食事やお酒が楽しめ、贅沢な時間が過ごせるブルートレインのよさを存分に味わえた。惜しむらくは、かつて乗車した「北斗星」や「あさかぜ」のように自動販売機やシャワールームが無かったことであった。長旅となるため、せめてこのくらいの設備はほしかった。
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